理事長メッセージ

背景

社会構想大学院大学が目指すもの

学校法人 先端教育機構 社会情報大学院大学 理事長 東英弥

学校法人 先端教育機構
社会構想大学院大学
理事長 東 英 弥 (あずま・ひでや)

博士(商学) 1978年からこれまでに14社起業し、現在12社を経営。事業の傍ら、東京大学大学院工学研究科、新領 域創成科学研究科などで学び、理論と実務の融合を実践する。2012年、文部科学大臣の認可を得て、「事業構想大学院大学」を設立。2017年には「社会情報大学院大学」を開学。東京国際大学理事・評議員。青山学院大学、早稲田大学、多摩大学大学院等で客員教授を務めた。著書に『統合型ブランドコミュニ ケーション』(早稲田大学出版部、日本広報学会賞教育・実践貢献賞受賞)など。2015年、全広連日本宣伝賞・吉田賞受賞。

 2022 年4 月1 日より、社会情報大学院大学は社会構想大学院大学へと名称を変更し、コミュニケーションデザイン研究科と実務教育研究科の2 つの研究科を擁する総合専門職大学院として新たな一歩を踏み出します。

 

 2017 年の設置以来、本学ではコミュニケーション領域の高度専門職業人の養成に取り組んでまいりました。「社会情報」の名称は、組織の最高情報責任者(CIO)や 最高コミュニケーション責任者(CCO)に求められる素養「社会における情報やコミュニケーションの流通を適切にコントロールする能力」の重要性を掲げるために付されたものです。一方、私どもは専門職大学院を運営するなかで、専門職業人養成を担う実務 家教員自体の能力を底上げする必要性を認識し、2018 年度に「先端教育研究所」および同所の運営する「実務家教員養成課程」を設置しました。さらに2020年度には履修証明プログラム「持続可能な次世代人材育成を探究する大学院教育プログラム」を、2021年度には「実務教育研究科」を設置するなど、社会に遍在する実践知を体系化し、普及・伝達できる高度専門職業人の育成にも取り組んでまいりました。

 

 このように、年々広がりを増す本学の教育研究活動は「社会情報」を超え、コミュニケーションや教育の観点から社会のグランドデザインを提言する人材を育成する「社会構想」の段階へと至っています。

 

 現代は「先の見えない、不確実な時代」であると言われますが、いつの時代においても未来は不確実なものであり、先人たちは理念と構想をもち、時代を切り開いてきました。サステナビリティや包摂性の実現が社会経済の両面において重視される今、これまでの常識が通用しない場面も多々見られるようになりましたが、長年にわたり蓄積されてきた学問知や実践知が不要になったかというとそうではありません。これからの社会で求められることは、多様な価値観を含む社会と連帯しながら構想を実践していくことであり、そのためには様々な形の知に新たな結合をもたらしイノベーションを起こす場が必要です。

 

 この先は次の社会を担う人材を育成する教育の観点、そして対話によってよりよい社会をつくりあげる政治の観点に注目し、研究領域を広げながら教育界と産業界を結び教育研究活動を深めてまいる所存です。引き続き皆様からのご支援を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。