カリキュラム

「コミュニケーションデザインを極める」とはどういうことか
コミュニケーションデザイン研究科は学位授与の方針において、同分野におけるプロフェッショナルの責務を下記の4種類に整理してます。このことはすなわち、本研究科の授業がすべてこうした能力を体系的に身につけるために設計されているということを示しています。本研究科の授業は「基礎科目」、「専門基礎科目」、「専門科目」、「演習科目」の4カテゴリーに分類されており、基本的な内容から専門知識まで、同分野で求められる内容を段階的に学ぶことができます。
本研究科では、個別具体的なテクニックだけを学ぶのではなく、本質的な議論を通じた長期的に役立つ学びの提供を旨としています。それぞれの授業においても、「理論と実践を架橋する」教育課程の実現を目的として、最先端の理論や事例を扱う座学のみならず、ディスカッションやワークショップといったアクティブラーニングを取り入れるなど、実践的な能力を涵養する取り組みが行われています。
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・現代社会の動向や情報メディアの発展状況に関心を持ち、理論と実践の両面において知見を継続的にアップデートできる。
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・自らの携わる組織やプロダクト等の基礎となる理念(ビジョン)について、それを取り巻く社会環境を踏まえて、理論と実践両面の視点から理解できる。
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・自らの携わる組織やプロダクト等に関わる多様な利害関係者について、それぞれの特性を把握するとともに、個別具体的なコミュニケーション戦略を策定し、実行できる。
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・コミュニケーションデザイン分野の実務上ないし理論上の課題を自ら発見し、論理的かつ実効的な解決方法を提言できる。
多様なニーズに対応する科目編成
3種類のモデルケース
コミュニケーションデザイン研究科では、同分野で活躍する人材に共通して求められる能力を涵養するための科目のほか、3種類の能力をモデルケースとして措定し、対応する科目を整備しています。 すなわち、組織のコミュニケーション戦略を総体的に構想する「コーポレート・コミュニケーション」の視座を身につけるための科目、社会的意義を有しながらも関心の持たれづらい公共セクターにおけるコミュニケーションのあり方、言い換えれば「公共コミュニケーション」の発想と方法を修得する科目、ESG投資やSDGsをはじめとするグローバルな価値観を経営に取り入れ、企業の社会的責任を果たすための対外的・対内的な「サステナビリティ・コミュニケーション」のあり方を学ぶ科目の3種類です。 具体的なシラバスはこちらからご覧ください。
本研究科で2022年度に開講されている授業は下表の通りです。
ニーズを踏まえた長期的に役立つ学び
コミュニケーションデザイン分野のプロフェッショナルが身につけるべき能力は社会動向の変化と密接な関わりがあるため、本研究科の授業内容もそれを無視することはできません。本研究科の強みのひとつは、同領域のスペシャリストであり、最前線の実務の場で活躍する実務家教員が多く所属することにあります。本研究科では、こうした教員が中心となって社会や業界の動向をキャッチアップし、それを具体的なカリキュラムに反映するためのプロセスを構築しています。
また、本学はカリキュラムの見直しと体制整備、さらには産業界等との連携のもと適切な授業科目を開発することを目的として、2019年度より教育課程連携協議会を設置しています。あらゆるチャネルを通じて「いま必要な学び」と「数年後に求められる学び」の双方を取り入れることで、社会のニーズを踏まえつつ長期的に役立つ学びを提供しています。
履修モデル
リカレント教育の効果を高めるためには、実務と両立可能な履修計画を検討することが必要不可欠です。本研究科ではすべての入学者を対象に担当教員との履修相談の機会を設けており、個別の事情に応じた履修のカスタマイズを実現しています。ここでは、上記で述べた「3種類のモデルケース」それぞれに対応する標準的な履修モデルをご紹介します。
※ それぞれの履修モデルは本研究科の修了要件を充足する形で作成されています。
コーポレート・コミュニケーションデザイン
公共コミュニケーションデザイン
サステナビリティ・コミュニケーションデザイン
教員の考える「コミュニケーションデザインの専門家」
コミュニケーションデザイン研究科に所属する教員が「同分野におけるプロフェッショナルの身につけるべき能力」をどのように捉えているか、インタビューを実施しました。コミュニケーションデザインに関連する諸領域の現状と課題も整理されていますので、ぜひご覧ください(外部サイトに移動します)。
・ベストプラクティスのない世界 リスクマネージャーに求められる素養とは (白井 邦芳 教授)
・「広報課題」は「経営課題」の一部 ひとつ上の課題認識ができる能力を身につける (柴山 慎一 教授)
・社会的意図をもったCSRを社内外に発信し エンゲージメントや社会的評価を向上する (伊吹 英子 特任教授)
・自治体経営における行政広報の課題 経営マインドと住民目線の獲得を (牧瀬 稔 特任教授)
・理想の社会を実現するために「広報」がある 必要なのは発信による「社会デザイン」構想力 (北島 純 教授)
・マーケティングの理論やフレームに対する誤解 実務を見つめ直す、賞味期限の長い学び (高広 伯彦 特任教授)
・ステークホルダー起点の広報DX 態度変容とコミュニケーションの再構築 (渡邉 順也 准教授)
・関心の持たれづらい領域にこそ可能性 広報は組織の羅針盤であれ (橋本 純次 准教授)
・裾野を広げた広報の役割 コミュニケーションをデザインする人材へ (吉國 浩二 研究科長・教授)