専門性を深める新たな学びを基に豊かな人生を

ここ10年ほどの間に自分の仕事はシステムコンサルタントとしての業務から、社内の人材育成や経営企画関連業務中心の仕事へと変化してきました。時を同じくして大手企業がサステナビリティ経営に舵を切る中で、CSRやSDGsへの取組みはどうあるべきなのかを自分が深く理解する必要性が高まり、50代半ばという自分の年齢を考えたときにこの先10年から15年現役として高いパフォーマンスを発揮するためには、新たな学びが必要であると考えておりました。また企業が社会課題に本業で取り組むという変化は、長年続けてきたボーイスカウト活動にも影響を及ぼしており、社会の中での役割の再定義とともに活動が社会へ与えるインパクトを明確にして、それらを社会に広く浸透せしめる新たな広報活動が要求されるようになりました。この新たな広報活動に向けた学びの必要性も感じており、これら2つの学びのニーズを満たす最適な場として社会情報大学院大学を選びました。

人材育成を目指し広報領域網羅

広報業務の専門教科はもちろんですが、シラバスには広報をとりまく様々なステークホルダーとのコミュニケーションを意識した多様な科目が含まれており、授業の内容が自分の業務で実践的に活用可能になっています。コンサルティング業務の傍ら社内の人材育成にもかかわり、ボーイスカウトにおいても指導者の養成を担当するトレーナーとして活動してきたこともあって、自分の関心はダイレクトに広報のプロフェッショナルを目指すというよりは常に人材育成が軸となっているのですが、専門職大学院という環境は広報だけにとらわれない幅広い分野の学習が可能であり、入学前の想像をはるかに超える濃密な学びの機会になっています。特に、それぞれが社会人としての専門業務を経験している院生の皆さんとのディスカッションからは、何にも代えがたい深い気づきと学びが得られます。

「知」への追求
30代の頃から大学院で学びたいと思っていましたが、50代の半ばにして実際に大学院の門を叩くことにためらいがありました。しかし、それぞれの分野においての第一人者でいらっしゃる素晴らしい先生方や事務局職員の皆さんの的確なサポートで効果的に学習できており、入学前の不安はまったく無用なものであったと思うようになりました。私は同期の中ではおそらく一番年齢が高いと思いますが、多様な職業と経験を持つ同期の院生の皆さんからは、常に新しい知識やインスピレーションを得るきっかけをつくってもらっており、このような仲間たちと一緒に学びを深めることが出来るのは、本当に幸せなことであると思っています。
社会情報大学院大学での学びは専門性を深めるだけではなく、専門だけに捉われない幅広い学識や能力を身につけることの大切さも同時に理解させてくれました。また、年を重ねても自分の能力を高めてゆくために、学びの機会を積極的に自ら求めることが大切であることを実感しております。これからも企業人としての能力を高めるだけではなく、「知」を生み出しながら長い人生を豊かに生きるための学びを続けてゆきたいと思います。

中橋 邦

中橋 邦

(なかはし くに)
独立系ソフトウェア開発企業所属
2022年修了