広報・情報学における消費者としての立場の変化

ビジネスパーソンとしてイキイキし続けること。それが私の目標です。社会の劇的な変化に対し、自らもアップデートを図らなければ、すぐ過去の人になってしまう、と感じています。では、変化の波をサーフィンのように楽しみ、仕事にも活かすには何が必要でしょうか。情報量は今後も増え続けますから、必要な情報を見極め、効果的に伝達することが重要になるはずです。私は約10年間メーカーのマーケティング部門で働いていますが、マーケティングに加え「情報とコミュニケーションのスペシャリスト」になれれば希少性が高い人材になれるのではないか、そう考え、日本で唯一「広報・情報学」の専門職学位を取得できる社会情報大学院大学に入学しました。

情報を戦略的に扱いたい

入学の1年前、勤務先で半年間のMBA(経営学修士)系の研修に参加し、その中で情報の取り扱いについての講義を受けました。情報の取捨選択や受け手に刺さるコミュニケーションの手法については、実務の中で習得してきたつもりでしたが、うわべだけの知識だったと痛感。情報の戦略的な取り扱いやコミュニケーションについて専門的に学べたら面白いな、と思っていたところで、社会情報大学院大学を知りました。
シラバスを見ると受けたい内容ばかりだったので、1年次には土曜日も含めて、ほぼ毎日びっしりと時間割を埋めました。昨年は、すべての講義にオンラインが取り入れられ、在宅勤務の私には移動がなくてありがたかったですし、いつ自分が質問されるか分からないので、緊張感をもって受講することができました。グループディスカッションでも、職業や年齢がバラバラな学生が集まり意見を交換するため、非常に白熱。講義の後に集まって2回戦ということもしばしばありました。

アウトプットに結び付ける

入学当初、「今までの知の消費者から、これからは創出者を目指してほしい」と吉國浩二学長から印象に残る言葉をいただきました。これまで本や講演、ネットなどを通じ色々な人から影響を受けてきたものの、業務以外の私自身のアウトプットと言えば、限られたものしかありません。知識を得るだけでなく、それをきちんと精査、判断して、理解されるようなアウトプットに結びつける、そうしたポジションチェンジが必要でした。実際、本学では学会や自治体などに対し、アウトプットする機会が多くありました。良い内容はつぎつぎ現場で採用されるので、やりがいがあります。
入学から1年はコロナ禍もあり生活の多くの部分が変わりました。妻は講義を受けている私を見て「『なるほどー』って連発してニヤニヤしているよ」と笑っています。私と子ども2人が同時に新入生という経済的に苦しい中、入学を後押ししてくれたことに感謝しています。大学院生活を楽しみながら「希少性の高い、知の創出者」を目指したいと思います。

五井 俊哉

五井 俊哉

(ごい としや)
医薬品業界
2022年修了